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TORENDIA

車室

本文約230字 ・ 読了時間 約1分

※本文が短いため「あらすじ」は省略いたします。

漢那浪笛

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🎧 車室 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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一頭のやせ馬に、

ひかれゆく黒塗りのかた馬車。

乗ひ合は六人、

その中に一人の若かい女。

膝向き合はした客は、

お互に眼をひらめかし、

たゞ無言。

――疑ひの多き車内だ。

沙漠に似たる車内に、

一人の若かい女、

今宵の旅の疲れに、

一つの慰めとなる。

あゝ車内の若かい女、

夜のランプにたとへやう?。

その異性の光は、

私の淋しい心を照らす。

時々色と匂ひと、

車のゴタック毎にとろけて、

静かになつかしく、

膩にしんた肉にふるゝ。

哀れなものはやせ馬、

鼻息荒らく、たゆむ隙がない、

鞭の鳴る毎に

いや更に走る。

完

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