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TORENDIA

豪華版

本文約2,000字 ・ 読了時間 約5分

あらすじ(AIが作成しました)

出版企業に結びついた文学の在り方と、戦後のインフレーションがもたらす出版界の混迷を綴る。高額な書籍が氾濫する現象を単なる物価の問題としてだけでなく、文学者の実態や民主的な文学の確立、さらには次代を担う子供たちの教科書不足といった教育環境の欠落にまで関わる社会問題として分析する。かつての純粋な本作りへの憧憬を回想しつつ、文化の非自立性を露呈させる現代の出版文化の歪みを論じる。

宮本百合子

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🎧 豪華版 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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どんな作家でも、自分の書く本が立派にこしらえられ、そして見事に売れることをよろこびとする。しかし、その自然なこころもちは、時代のいろいろの関係で、あながち、芸術的に発露されにくい。何しろ、出版企業というものに結びついているのだから。

文学を愛し、文学をつくる人になる前に生活の必要と文学愛好の心からジャーナリズム関係に入る若い人は、みんな大抵幻滅を経験する。バルザックの「幻滅」とはちがった意味で。遠くから見て敬意を抱いていた芸術家たちが、ジャーナリストとして接触してゆくと、その人々のジャーナリズムへの態度が露呈され、人間的にも幻滅し文学的にも別な目をさまされる。そして悲しいことに、一種の文化的すれからしとなってしまう。「まんじ」が一冊千円ということは、幾人かの人から幾たびかきいた。「まんじ」が千円ということは、今の出版にある一種の傾向から肯けて、それはウィスキイ一本何千円ということに似て理解された。

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