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TORENDIA

「我家の平和」を演出して

本文約510字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

フランスで観劇した舞台「我家の平和」の演出について、著者が試行錯誤の過程を綴る。同作の模倣を避け、日本人の俳優に合わせた独自の演出を組み立てるまでの経緯や、稽古を通じて得た演技への新たな発見、そして今後の上演に向けた展望を語る。演出の過程で俳優から得た手応えや、さらなる改善の余地があると感じた自身の心境など、一人の演出家としての率直な考察を収める。

岸田國士

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🎧 「我家の平和」を演出して / 朗読音声: VOICEVOX:雨晴はう

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「我家の平和」は、フランスでも一度見たことがありますが、その印象は頗る薄いものでした。ですから、最初は向ふで見たまま紹介しようと思ひましたが、見た時の印象が非常に薄いから、コツピイをするにしても誠に心元ない。それに向ふのものそのまゝのコツピイが、果して我々の俳優の演技にうまく合ふかどうかも疑問でしたから、コツピイは全然よすことにしました。さうして、私自身の思ふまゝに新しい演技を組立てた訳です。

最初は、俳優に試験的にやらしてみましたが、演つてゐるうちに色々と私の註文も出て来る。そして、その註文も或る所までは果されて行くことが分りましたから、この分で行けば、私自身がもう少し勤勉になつて、色々註文が出せたなら、可成りな所まで、演出の効果を挙げて行くことが出来るとおもひました。

相憎、途中で病気に掛つたりして、稽古はほんの二三度しか見ることが出来ませんでしたが、もう少し丁寧に見ることが出来たなら、もつともつと良くなる望みがあると思ひます。

兎も角も、今度の演出によつて、われわれは、われわれの俳優の演技といふものに対して、嘗て考へてゐたよりは広い希望を持つことが出来ました。これは非常に喜ばしいことだとおもひます。

完

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