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TORENDIA

文化運動への反省

本文約4,500字 ・ 読了時間 約9分

あらすじ(AIが作成しました)

知識層が翼賛運動の中で展開する文化運動の在り方を論じる。専門領域のみに固執して他の側面との調和を欠く現状を指摘し、部分的な成果に留まる弊害に警鐘を鳴らす。文化運動の推進には、知識の伝達のみならず、人間としての直感や文化的な感覚が不可欠であると説く。さらに、運動に対する周囲の無理解を責める独善的な態度を排し、広い判断力と反省を持って対話的に進めることの重要性を綴る。

岸田國士

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🎧 文化運動への反省 / 朗読音声: VOICEVOX:春日部つむぎ

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翼賛運動の発足と同時に文化新体制といふ声が起つてきました。この声に応じて、最も率直に、同時に最も欣然として立上つたものは、全国に於る知識層であつたと私は思ひます。その知識層の中で、特に情熱をもつてこの翼賛運動に参加しようとした人々は、文化運動の名の下に、新しい組織と活動とに着手したのであります。

私共はかね/″\知識層に対する一部世間の批判に対し、その当否よりもむしろ、知識層に属する者の一員として、大きな憂ひを持つてゐました。果して我々知識層は、かういふ国家的な重大時局に当つて、その職域に於て、またその全人格をもつて、国家に御奉公することが出来ないのであらうかどうかといふことを、個人としてはもとより、お互ひ知識層の者としてその向ふべき道について深く思ひを致してゐたのであります。

然るにその後、全国各地に澎湃として起つてきました文化運動の姿を見てゐますと、今日までかれこれと批判されてゐた知識層は、恐らく表面的に面目を一新したと考へられるものもあるかも知れませんが、私自身としましては、これこそ知識層本来の姿であるといひたいやうな、底力のある、しかも、あくまでも理想を追求してやまない逞しい精神に立つた一つの運動の姿を展開し始めたのであります。翼賛会の一員として加はつてをります私自身にとり、まことに力強く、また頼もしく感じてゐる次第であります。

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