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TORENDIA

兎さんの本屋とリスの先生

本文約960字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

そそつかしい兎の本屋は、フロックコートに鼻眼鏡という出で立ちで売り歩き、森で出会った医科大学の先生を名乗るリスに本を販売する。リスの家まで同行した兎は、そこでリスが購入した本が子供用の読本であることを知られ、追い返される騒動を起こす。その後、川に落ちて怪我をした兎の元をリスが訪れ、手当てを施す。この出来事を機に二人は仲良くなり、以降は割引価格で本を譲る親密な関係を築く。

村山籌子

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🎧 兎さんの本屋とリスの先生 / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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あるところに大変そそつかしい本屋さんがありました。兎さんです。ある日、お店へ本が来ましたので、フロツクコートを着て、鼻眼鏡をかけて、ステツキを持つて、その本を小脇にかかへて(人間から見るとおかしいですが、兎の本屋さんはこんなものです)売りに出かけました。

森の入口で、リスさんに会ひました。大変悧口さうなひげを生やしたリスさんですから、本を買つてくれるだらうと思つて「リスさん、本を買つて下さい。私はりつぱな本屋さんです」といひました。リスさんは、兎さんがフロツクコートといふ服を着て、鼻眼鏡をかけてゐるし、それにステツキをついてゐるので、成程りつぱな本屋さんだと思つて「僕は医科大学の先生です。本を買ひます。今、お金を持つてゐませんから、家までついて来て下さい」といひました。

兎さんは大よろこびで、リスさんの家へついて行きました。

遠い/\お家なので、家へついた時はもう真くらな夜になつてしまひました。門口まで来たので、リスさんはお家へはいつて行つて、お金を持つて来て、兎さんにお払ひをしました。

ところが、その時ちやうど六時が打つて、リスさんの村では、夕方の六時カツキリに電気がつくのです。電気がつきました。

リスさんは今買つたばかりの御本を、大きな/\英語や、ドイツ語や、ロシア語の字引を積みあげてあるお机の上でひろげました。

表紙には「尋常小学一年生読本」と書いてありました。

リスさんは「僕は医科大学の先生だのに」といつて、大変おこりました。そして兎さんをおつかけて行つてつつ返してやりました。兎さんは大変恥しくなつてかういひました。

「あなたはお子さんがありますか」

リスさんは答へました。

「小学一年の子供がひとりあります」

「それでは、これをそのお子さんに上げて下さい。お金はいりません」といつて逃げ出しました。

リスさんは兎さんが大変気の毒になつたので、あくる日、お金をとどけてやりました。

兎さんは、ベツドの中でうん/\うなつてゐました。なぜといつて、兎さんは、昨夜あんまり急いで逃げたので、小さな川におつこちて、指の先を怪我したのです。

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