私の洋画経歴
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あらすじ(AIが作成しました)
七歳の頃に探偵映画に出会った著者は、連続映画やキーストン喜劇といった当時の活動写真に夢中になる少年時代を過ごす。無声映画時代特有の映画説明や、スクリーンの中のスターたちに心を踊らせた体験を綴る。後に美術学校で芸術として映画を志すまでになった著者が、少年期の憧憬や欧州の文芸作品、かつての銀幕を彩った女優たちの姿を回顧し、サイレント映画の魅力と当時の情熱を懐かしむ想いを収める。
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幼少七歳の頃なりし、ジゴマなる探偵映画当時は活動大写真を見て、動く写真と、その白いコルセットのスカートをながくひきずる令嬢がすごい顔をした大悪漢に、いまやあわやという大危険に小さな心臓を震るわし本気になって心配をし、ニック・カーターという名探偵が現われてこれを救うという大スリルに心を踊らしたのが、そもそも泰西活動大写真を見た最初であった。
それから小学校の二、三年の頃であったでありましょう。「名金」なる連続映画を麻布の六本木にあるささやかな活動小屋でラムネと塩せんべいをかじりながら、感極まるとピイピイ口笛をふいて拍手喝采をしたものである。子供心にヒロイン、キチイに扮する、グレース・カーナドに恋のほのほを燃し夢うつつであった。それに現れる二枚目フランシス・フォード、絶対に強力な快漢ロローに扮するエデー・ポロなぞが黄金貨幣を真二つに切って、その行方をさがし、二つ合えば宝のかくし場所がわかるという大活劇がくり広げられて行く。僕はボール紙に金紙をはり、それにわからぬアルハベットをつづり二つに切って近所の悪たれ坊主連中と名金ごっこをしたのはなつかしい想い出である。グレース・カーナド出演映画は「獣魂」なぞ陸続と現れ、冒険心に満ちていた少年の僕を人生の楽しみとまでしみ込ましたのである。
その頃、グレス・ダーモンドという眼の美しい日本人好みの女優の「赤い目」という連続映画が登場し、二巻目の終りに両眼が恐ろしいまでクローズ・アップされ、その眼球だけ赤色がルビーのように染められていたのには驚異であった。
幸い両親が新しい物好きで、僕の映画愛好に、むしろ賛成であったのは僕の大なる幸福であったのであろう。