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TORENDIA

肌の匂い

本文約189,100字 ・ 読了時間 約379分

あらすじ(AIが作成しました)

戦後の荒廃する東京で、終戦直後に語り手の仕事部屋を訪れた青年・貴島勉は、端麗な外見とは裏腹に、底知れぬ不気味さと狡猾さを秘めていた。やがて貴島は綿貫ルリと深い仲となり、ある不可解な事件を引き起こす。語り手はその渦中に巻き込まれながら、貴島という男の奇妙な人間性や、彼に翻弄される周囲の女性たちの恨み、そして貴島自身の変化と苦悩を追う。本作は、戦後の混沌とした社会で翻弄される人々の複雑な心理と人間模様を描く。

三好十郎

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それは、こんな男だ。

年齡二十六七。身長五尺四寸ぐらい。體重十五貫と十六貫の間。中肉でよく發達した、均整のとれたからだつき。顏は正面から見ると割りに寸がつまつて丸いが、横からだと面長に見える。鼻筋がすこし長過ぎる位に通つているせいか。色は白い、と言うよりも蒼白。ひどく冷たい感じの皮膚。頭髮豐かで、廣い額の、上の方が女にもめつたに無いクッキリとした富士びたいになつている。全體がまるで少年――時にほとんど女性的な……いや、初めからこんな事を書きすぎている。もうやめるが、とにかく、こう書いて來ると、一人の美青年を人は想像するかもしれない――事實、道具立ての一つ一つを取れば、端麗とも言える顏だちだ――が、全體から來る印象は、なにかしらアイマイで不快である。

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