星の世界から
本文約3,200字 ・ 読了時間 約7分
あらすじ(AIが作成しました)
貧しい家に育つ良吉は、親友の文雄と仲よく遊ぶ日々を送る。ある日、病に伏した文雄との別れを経験し、悲しみに暮れながらも墓前へ通う。その後、別の土地へ転居した良吉は、裕福だが冷淡な隣人の力蔵との交流で、物への執着や寂しさを募らせる。そんなある夜、窓から漏れる星の光を眺めていた良吉のもとに、星の世界へ行ったはずの文雄が姿を現し、再会を誓う様子を描く。
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一
良吉は貧しい家に生まれました。その村は寂しい、森のたくさんある村でありました。小鳥がきてさえずります。また春になると、白い花や、香りの高い、いろいろの花が咲きました。
良吉には仲のいい文雄という同じ年ごろの友だちがありました。二人はいつもいっしょに棒を持ったり、駆けっこをしたり、また、さおを持って河にいったりして、仲よく遊びました。
村はずれには河が流れていました。その水はたくさんできれいでありました。河のほとりには草が茂っていました。二人はその草の上に腰を下ろして、水を見つめながら釣りをいたしました。
また風の吹く日には、いっしょにくりの実を拾って歩きました。また枯れ枝などを拾ってきて、親の手助けなどをいたしたこともありました。こうして二人は、なんでも持っているものは、たがいに貸し合って仲よく遊びました。たまに両親が町へいって買ってきてくれた絵草紙や、おもちゃなどがあると、それを良吉は文雄にも見せてやったり、貸してやったりいたしました。また、文雄も同じことで、なにか珍しいものが手に入ると、きっとそれを良吉のところへ持ってきて見せました。二人の間では、なんでも差別なくして仲よく遊びました。だから、その村は町から遠くはなれていて、さびしい村でありましたけれど、二人はけっしてさびしいとは思いませんでした。二人はいつも、楽しく仲よくして遊んでいました。
しかし、不幸というものは、いつ人間の身の上にやってくるものだかわかりません。ある寒い、もう秋も老けてゆくころでありました。文雄は、ふとしたかぜをひきました。そして、それがだんだん重くなって床につきました。良吉は心配して、毎日のように文雄の家へいっては、病気をみまいました。文雄の両親もいっしょうけんめいで看病いたしました。けれど、ついに文雄はなおりませんでした。枕もとにすわって、心配そうに自分の顔を見つめている、友だちの良吉をじっと見て、
「早くなおって、また君といっしょに遊ぼうね。」
と、文雄はやつれた姿になりながら、にっこりと笑っていいました。
「ああ、遊ぼうよ、君、気分はちっとはいいかい。」