すももの花の国から
本文約2,200字 ・ 読了時間 約5分
あらすじ(AIが作成しました)
どこまでも白いすももの花が咲き乱れる林の中に、しらがのおばあさんと三人の姉弟が暮らしている。彼らは街へ行ったきり帰らぬ両親を捜すため、おばあさんの術により、ちょうと蛾とみつばちの姿となって旅立つ。色とりどりの花が咲く街へたどり着いた三人は、離ればなれにならないよう助け合いながら、美しい花園や街の灯火を巡り、両親との再会を願いつつ春ののどかな日々を過ごしていく。
💰 この本を応援する(投げ銭)
人々のあまり知らないところであります。そこには、ほとんど、かずかぎりのないほどの、すももの木がうわっていました。そして、春になると、それらのすももの木には、みんな白い花が、雪のふったように咲いたのであります。
その木の下をとおると、いい匂いがして、空の色が見えないまでに、白い花のトンネルとなってしまいました。それは、あまりに白くて、清らかなので、肌が、ひやひやするようにおもわれたのであります。
しかし、ゆけども、ゆけども、白い花のトンネルはつきませんでした。まるで、白い雪の世界をあるいているようなものでした。けれど、雪ではありません。雪は、真っ白でありますが、すももの花は、いくぶん、青みがかっていて、それに、いい匂いがしました。
しまいには、どこが出口やら、また、入って、あるいてきたところやら、わからなくなってしまいました。すると、そのすももの林のなかに、一軒のわら屋がありました。その家には、しらがのおばあさんと、三人の姉弟がありました。いちばん上の姉は、十四で、つぎの妹は、十二で、下の弟は、八つばかりでありました。
この三人は、ほかにお友だちもなかったから、姉弟で、なかよくあそんでいました。
「お父さんや、お母さんは、いつになったらかえっていらっしゃるだろう?」と、妹と弟は上の姉さんにむかってたずねたのです。すると、姉さんは、やさしい目をして二人を見ながら、
「私だって、かすかに、お母さんのかおや、お父さんの顔をおぼえているばかりなのよ。春の晩方のこと、こうして、すももの花の咲いたじぶんに、みんながランプの下で、たのしく、お話をしたことだけをおぼえているのよ。」と、姉さんはこたえました。
二人は、ぼんやりとしたかおつきをして、姉さんのいうことをきいていましたが、
「お父さんは、どこへいかれたのだろう……。」と、弟がいいました。
「お母さんは、どこへおいでになったのでしょう……。」と、妹がたずねました。
すると、姉さんが、