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TORENDIA

墓地へゆく道

本文約9,200字 ・ 読了時間 約19分

あらすじ(AIが作成しました)

愛する家族を亡くし、職も失って困窮するロオプゴット・ピイプザアムは、死者への弔いに墓地へ向かう。彼は道中で出会った自転車に乗る人物に不可解な告訴を繰り返して翻弄し、やがて通行人たちの前で激しい憤りを露わにする。しかし、自身の悪徳と不幸に苛まれる孤独な男は、人々の群れの中で力尽きて意識を失い、駆けつけた衛生隊の馬車によってその場から運び去られる姿を描く。

トオマス・マン Thomas Mann

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墓地へゆく道は、ずっと国道に添うて走っていた。その目的地、つまり墓地に達するまで、ちっとも国道を離れずに走っているのである。その道のもう一つの側には、まず人家がある。郊外の新築の家々で、まだ職人の入っているのもある。それから畑が来る。縁に、ごつごつした中老の山毛欅の樹が立並んでいる国道のほうは、半分だけ鋪石が敷いてあって、半分は敷いてない。しかし墓地へゆく道のほうは、砂利があっさり撒いてあるので、踏み心地のよい歩道のような体裁になっている。雑草と野花でいっぱいの、狭い乾いた溝が、この両方の道の間を通っている。

それは春だった。もうほとんど夏だった。世界は微笑していた。ひろやかな青大空は、一面に小さいまるい濃密な雲の断片で点綴せられている。おどけた形をした雪白の小さな塊が、点々として到るところに浮んでいるのである。小鳥が山毛欅の樹にさえずっているし、畑を越して軟らかな風が吹いて来る。

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