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TORENDIA

沢庵

本文約510字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

加賀の山代でつくられるたくあんの格別の美味しさと、その製造の秘訣を綴る。大量のぬかを使用することの重要性を説き、大量生産されるものや着色されたものと比較しつつ、本来の味わいを考察する。さらに、寒冷地がもたらす食材の質の高さや、一方で暖地に適した果物についても言及し、地域ごとの特性と食の良し悪しを論じる随筆である。

北大路魯山人

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🎧 沢庵 / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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たくあんの話をしてみよう。

今日食べたたくあんは、加賀の山代でできたものである。わたしの知っているかぎりでは、山代産のたくあんが一等よいものだと思う。これは、だいこんが寒国でできたことが主なる原因だが、山代のは他のコツもあって伊勢のものとも違う。伊勢のも種類があり、いいものだが、山代のには及ばない。伊勢は産業として、大量に生産しているので、山代のようなウブなうまさはない。五十年も前には、山代のようなうまさもあったようだが、しかし、伊勢のもぬかが多いので、それだけのうまさはあるといえよう。

山代のも、多量のぬかを使っていて、ぬかの中からたくあんを掘り出す感があるが、このようにぬかを多く使用することは、うまいたくあんを作るコツである。

東京のたくあんの漬け方は、黄色の色素でカムフラージュされていて、うまくない。これは明らかにぬかの少ないせいだといえよう。

ついでにいうと、やさいでも、魚でも、総じて寒帯地方のものがよい。北海道で獲れるさけ、ます、にしん、棒だらが美味であることなど、その一例である。

一概にはいえないが、暖地で間違いないのはくだものであろう。くだもの類は概して暖地に名果ができるものである。(昭和九年)

完

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