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TORENDIA

弔辞(室生犀星)

本文約970字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

室生犀星の逝去を受け、弔問に訪れた著者が、庭園の佇まいや陶器を愛した故人の芸術的境地を回想する。自身の文学との相違を思索し、丹念な女性描写などの特徴を考察する随筆である。軽井沢で親交を深めながらも、あえて文学論や趣味の深い話は避けて淡々と接した故人との交流を振り返り、自らより若い友の面影を心に留める。芸術への姿勢と追悼の思いを綴る。

正宗白鳥

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🎧 弔辞(室生犀星) / 朗読音声: VOICEVOX:波音リツ

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先夜室生犀星君の逝去を電話で最初に知らせて来た或る新聞記者は、同君についての私の感想を求めた。が、私は咄嗟に返答することが出来なかったので固く断った。私は現代作家論を幾つも書いているが、犀星論はまだ一度も書いたことがなかったように思っている。それについていろいろ考えながら眠りに就いた。翌日弔問のために、氏の住所を記した紙片を持って出掛けたが、一二度新聞社の自動車で、氏の家の前に立ち寄っただけなので、単独では方角が分らなかった。タクシーの運転手にも分らないので乗車を断られた。あちらこちらまご/\した果て、通りがかりの巡査に訪ねて、その巡査に案内されて、ようやく目的地にたどりついたのであった。

はじめて氏の庭園を観た。小やかな庭園であっても、私などとちがった芸術心境をそこに観たような感じで、座に就いてからも、いろ/\に氏の作品について空想を恣にして、私自身の作品との相違を考えたのであった。

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