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第一章 一文だけの予報
明治17年、1884年の6月1日。
日本で最初の天気予報が、出されました。
それは、全国に向けた、たった一文でした。
全国一般、風の向きは定まりなし。天気は変わりやすし。ただし、雨天がち。
原文はカタカナ書きなので、いまの読み方に直してお伝えしました。
それから、およそ140年。
いま、空には、およそ2.5分ごとに、日本の雲を撮る衛星があります。
一文だけの予報から、2.5分ごとの雲の写真まで。
この間に、いったい、何があったのでしょうか。
140年という数字は、筆者の計算です。
最初に、使った資料をお伝えします。
気象庁が公開している、気象業務の歴史の年表と、気象業務の歴史のページです。
それに、気象業務150周年のページ、アメダスのページ、ひまわりの沿革のページを加えました。
年や数字は、これらの資料に書かれているものだけを使います。
この本は、明日の天気の歴史の本です。
災害の予測や、防災の話は、扱いません。
どう備えるか、といった大切なことは、お住まいの地域の案内で、ご確認ください。
では、始まりの場所、明治8年の東京へ行ってみましょう。
第二章 明治8年、溜池の観測所
天気予報の前に、まず、観測がありました。
空の様子を、毎日、同じ方法で測り続けなければ、予報はできないからです。
これは、筆者の考えです。
気象庁の150周年のページによれば、気象の仕事が始まったのは、明治8年、1875年の6月1日です。
場所は、東京の溜池葵町。
そこにあった、東京気象台という機関が、仕事を始めました。
当時は、内務省の地理寮のもとにあった、と書かれています。
気象庁の年表を見ると、もう少し、細かく書かれています。
6月1日に、東京気象台で、地震の観測が始まりました。
そして、6月5日に、気象の観測が始まっています。
気象業務の歴史のページには、1日3回の観測は、この6月5日から始まった、とあります。
つまり、6月1日は、仕事が始まった日。
6月5日が、天気の観測が始まった日です。
この観測が、どんなものだったのか。
どんな道具で、何を測ったのか。
使った資料には、その細かい様子は、書かれていません。