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TORENDIA

手紙はこうして国中に届いた ― ポストと郵便番号でたどる、郵便150年

本文約13,700字 ・ 読了時間 約28分

白石 凪

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はじめに 角にあるポストから話を始めます

町を歩いていると、ときどき赤いポストを見かけます。

手紙を入れると、ことんと小さな音がします。

その手紙は、数日のうちに、遠い町の知らない玄関先に届きます。

考えてみれば、これは不思議なことです。

差し出した人は、手紙がどんな道を通るのかを知りません。

それでも、多くの人が、届くものだと信じて投函します。

この信頼は、いつ、どのように作られたのでしょうか。

この本では、日本の郵便が始まった明治4年、西暦1871年から話を始めます。

日本郵政グループは、この年から数えて、郵政創業150年という節目を紹介しています。

本のタイトルにある150年は、そこから来ています。

案内役にするのは、二つの身近な品です。

一つはポスト、もう一つは郵便番号です。

どちらも、毎日のように目にするものです。

けれども、その形や仕組みには、はっきりした理由と、ちょっとした失敗の歴史があります。

先に、この本の進め方をお伝えします。

まず、郵便が始まる前の様子と、始まったときの仕組みを見ます。

次に、郵便の考え方を示した古い文書を読みます。

そのあとで、ポストが木の箱から赤い鉄の箱へ変わっていく道すじを追います。

山道で郵便を運んだ人々の話にも、一章を使います。

最後に、昭和43年に始まった郵便番号を取り上げます。

使う資料は、日本郵政の沿革のページ、郵政博物館の解説、そして総務省が公開している昭和48年版の通信白書です。

事実を述べる文は、これらの資料に書かれていることだけにします。

資料に書かれていないことは、分からないと言います。

また、料金の金額や、切手の額面は、取り上げません。

大切なのは、金額そのものよりも、仕組みの考え方だと私は考えるからです。

そして、資料から確かめられないことを、もっともらしく書くことは避けたいのです。

筆者の意見を述べるときは、そうだと分かるように、はっきり書きます。

事実と意見が混ざらないようにするためです。

では、飛脚の時代の終わりから、順に見ていきましょう。

第1章 飛脚の時代から

明治時代の前には、従来の仕組みとして、飛脚の制度がありました。

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