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第一章 日本の地図は、一点から始まる
日本の地図は、東京都港区の、ある一点から始まっています。
その一点は、日本経緯度原点と呼ばれます。
位置は、東経139度44分、北緯35度39分あたりです。
そして、高さの基準は、別の場所にあります。
東京都千代田区にある、日本水準原点です。
その高さは、東京湾の平均の海面から、24.3900メートル上、と定められています。
地図は、誰が、どうやって、測ってきたのでしょうか。
その始まりは、明治2年、西暦1869年にさかのぼります。
この年、明治政府は、近代的な測量を行う機関を置きました。
いまの国土地理院の、前身にあたる機関です。
いまから、およそ157年前です。
157年という数字は、筆者の計算です。
この本は、国土地理院が公開している資料をもとにしています。
近代測量150年のページ。位置を求める歴史と、高さを求める歴史のページ。
地図記号と地形図図式のページ。そして、日本の測地系のページです。
ですから、いまの国土地理院の資料による、地図づくりの歴史、ということになります。
この本は、地図づくりの歴史の本です。
地図の使い方や、登山、防災の助言は、扱いません。
また、領土や国境の話、災害の話も、扱いません。
地図記号の一つ一つの由来も、この本では、お話ししません。
測量の道具と、年と、決まりの移り変わりを、順番にたどります。
では、始まりの、明治2年から、見ていきましょう。
第二章 明治2年、地図のための役所
国土地理院の、近代測量150年のページによれば、明治2年、1869年のことです。
明治政府は、民部官庶務司戸籍地図掛という機関を置きました。
近代的な測量を行う機関として、置かれたものです。
これが、いまの国土地理院の、前身だとされています。
名前を見ると、戸籍と地図が、同じ係の仕事になっていたことがわかります。
人の記録と、土地の記録。
新しい国をつくるとき、人と土地を、把握することが、大切な仕事だったのかもしれません。
ただし、これは、筆者の推測です。
ページに、その理由が書かれているわけではありません。
それから150年がたった、2019年。