本文へ移動
TORENDIA

地図はこうしてつくられた ― 明治2年の測量から、地形図の150年

本文約8,500字 ・ 読了時間 約18分

白石 凪

🎧 まだ音声版はありません

リクエストが集まると、作家に音声化の需要が伝わります。

💰 この本を応援する(投げ銭)

1 / 10

第一章 日本の地図は、一点から始まる

日本の地図は、東京都港区の、ある一点から始まっています。

その一点は、日本経緯度原点と呼ばれます。

位置は、東経139度44分、北緯35度39分あたりです。

そして、高さの基準は、別の場所にあります。

東京都千代田区にある、日本水準原点です。

その高さは、東京湾の平均の海面から、24.3900メートル上、と定められています。

地図は、誰が、どうやって、測ってきたのでしょうか。

その始まりは、明治2年、西暦1869年にさかのぼります。

この年、明治政府は、近代的な測量を行う機関を置きました。

いまの国土地理院の、前身にあたる機関です。

いまから、およそ157年前です。

157年という数字は、筆者の計算です。

この本は、国土地理院が公開している資料をもとにしています。

近代測量150年のページ。位置を求める歴史と、高さを求める歴史のページ。

地図記号と地形図図式のページ。そして、日本の測地系のページです。

ですから、いまの国土地理院の資料による、地図づくりの歴史、ということになります。

この本は、地図づくりの歴史の本です。

地図の使い方や、登山、防災の助言は、扱いません。

また、領土や国境の話、災害の話も、扱いません。

地図記号の一つ一つの由来も、この本では、お話ししません。

測量の道具と、年と、決まりの移り変わりを、順番にたどります。

では、始まりの、明治2年から、見ていきましょう。

第二章 明治2年、地図のための役所

国土地理院の、近代測量150年のページによれば、明治2年、1869年のことです。

明治政府は、民部官庶務司戸籍地図掛という機関を置きました。

近代的な測量を行う機関として、置かれたものです。

これが、いまの国土地理院の、前身だとされています。

名前を見ると、戸籍と地図が、同じ係の仕事になっていたことがわかります。

人の記録と、土地の記録。

新しい国をつくるとき、人と土地を、把握することが、大切な仕事だったのかもしれません。

ただし、これは、筆者の推測です。

ページに、その理由が書かれているわけではありません。

それから150年がたった、2019年。

白石 凪の他の作品

🎧
十二月が二日で終わった年 ― 明治の改暦をたどる
白石 凪 ・ 約35分
🎧
手紙はこうして国中に届いた ― ポストと郵便番号でたどる、郵便150年
白石 凪 ・ 約36分
🎧
給食はおにぎりから始まった ― 明治22年の寺の昼ごはんから、いまの給食まで
白石 凪 ・ 約33分
🎧
街角の三つのあかり ― 手信号から信号機へ、日本の信号機の歴史
白石 凪 ・ 約48分
🎧
救急車が来るまで ― 昭和8年の横浜から、百十九番の今まで
白石 凪 ・ 約31分
🎧
明日の天気は、たった一文だった ― 日本初の天気予報から、ひまわりまで
白石 凪 ・ 約46分
🎧
蛇口をひねると水が出るまで ― 玉川上水から近代水道、水道法まで
白石 凪 ・ 約31分
🎧
財布のなかの小銭の歴史 ― 円・銭・厘から、五百円玉まで
白石 凪 ・ 約25分
🎧
みんなが名字を名乗った日 ― 明治3年と8年、苗字をめぐる二つの布告
白石 凪 ・ 約26分
🎧
公園ができた日 ― 明治6年の布達から、日比谷公園まで
白石 凪 ・ 約28分