ピムキン、でかした!
本文約17,200字 ・ 読了時間 約35分
あらすじ(AIが作成しました)
ビリンスキー村が集団農場として組織される中、元パルチザンを名乗るピムキンは、村の動向に強く関与する。村が托児所を設立した際、酒に酔って現れた医者をピムキンは激しく追及する。集団農場の運営をめぐり、ニキータやペーチャら村の青年たちが新たな体制を支える活動に励むなか、ピムキンは自身の情熱を托児所の運営に向け、村の秩序や未来に対して独自の熱量を注ぎ込む。
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一
ピムキンはパルチザンだった。――これは嘘じゃないだろう。
緑や黄色のパルチザンじゃあなく、正真正銘赤のパルチザンだった。――これも嘘じゃないだろう。
九十七戸あるビリンスキー村のまんなかに往還があって、人気ない昼間、その往還を山羊や豚が歩いた。ちょっと左へ小丘をのぼったところに村ソヴェトの建物がある。赤いプラカートが、毎年の雪にさらされて木目をうき上らした羽目の上に張られている。
ビリンスキー村がいよいよ集団農場として組織され、十露里さきの別な集団農場と一つのトラクター中央に属すことになった時、この小さい丘の村ソヴェトの建物は、重い村の階級的波にのしあげたように混雑した。
古びて、少し傾いた屋根がのっかっている村ソヴェトの車寄せの前で、青年共産主義同盟員ニキータが、ルバーシカをしめた帯革へ片手さしこんで、片手でやけに人蔘色の頭をかいている。
村人は、その様子を往還から眺め、或はもっと近く村ソヴェトの横に生えてる大きい楡の木の下のベンチから眺め、一種の感じを受ける。あるものは、地面につばをはいた。あるものは静かに水色のはげちょろけたルバーシカのポケットから粉煙草を出し、膝へ肱をつき熊手みたいな大きい指先でそれを巻きながら、ニキータの方は見ず、
――へえ……さあてね。
と独り言をいう。
集団農場にするということは、実に大きいできごとで、ビリンスキー村にはいろんな委員ができた。青年共産主義同盟員ニキータは、集団農場加入資格詮衡委員の一人だった。一言にいえば、財産調べ委員である。富農。中農。貧農。中・貧農だけコルホーズにはいれるのである。
三十露里ばっかり離れた上ブローホフ村は濃い樅の林にかこまれた村である。そこのもと町で染物工場をもっていたニキフォーロフの家が、集団農場組織についての調べから家宅捜索をくって、銀のサモワール三つ、絹地総体で三百五十ヤール。真新の防寒靴八足も見つけられた噂があった。
イグナート・イグナートウッィチのところへモスクワからプラウダと農民新聞が来る。農民新聞に、ちゃんとそのことが出ていた。ビリンスキー村の連中は、
――畜生! 悪魔だ。何年そうして、甘い汁すってけつかった。