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TORENDIA

少年探偵長

本文約109,400字 ・ 読了時間 約219分

あらすじ(AIが作成しました)

春木清は、港町のカンヌキ山へ同級生の牛丸平太郎と山登りに出かける。二人は生駒の滝を目指して競走し、別の道を進む。先に到着した春木は、滝の近くで銃撃され血を流して倒れている老人を発見する。この出来事を機に、少年は海賊王デルマの黄金メダルをめぐる壮大な陰謀と巨大な悪の組織に立ち向かう冒険へと引きずり込まれていく。

海野十三

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怪事件の第一ページ

まさか、その日、この大事件の第一ページであるとは春木少年は知らなかった。あとからいろいろ思い出してみると、その日は、運命の大きな力が、春木清をぐんぐんそこへひっぱりこんだとも思われる。

ふしぎな偶然の出来事が、ふしぎにいくつも重なって起ったような感じだが、それもみんな、清少年の運命であったにちがいないのだ。

奇々怪々なるその大事件は、第一ページにあたるその日において、ほんのちょっぴり、その切口を見せただけであった。もし春木少年が、そのときにこの事件の大きさ、深さ、ものすごさ、おそろしさを半分ぐらいでも見とおすことができたなら、彼はこの事件に関係することをあきらめたであろう。それほどこの事件は、大じかけの恐怖事件であって、とても少年の身では歯がたたないばかりか、大危険にまきこまれることは分りきっていたのである。

まあ、前おきのことばは、このくらいにしておいて春木少年がその事件の第一ページの上に、どういう工合にして、足を踏みこんだか、それについて語ろう。

その日、春木少年は、この間から学校で仲よしになった同級生の牛丸平太郎という身体の大きな少年といっしょに、日曜を利用した山登りをやっていたのである。その山登りというのは、芝原水源地の奥にあるカンヌキ山の頂上まで登ることであった。

春木少年が、この町へ来たのは、ほんの一カ月ほど前のことであった。その前、彼は東京にいた。この町は関西の港町だ。

くわしいことは、いずれ後でのべる時があるから、ここには説明しないが、春木少年は、家の事情によって、とつぜんこの港町の伯母さんの家へあずけられたのであった。そして清は、近くの雪見中学校へ転校入学したのだった。彼は三年生だった。

一時はずいぶんさびしい思いもしたが、清はこの頃ではすっかりなれてしまった。そして学校にも牛丸君のような愉快な友だちができるし、それから又港町のうしろにつらなっている連山の奥ふかく遊びにいく楽しみを発見して、ひまがあれば山の中を歩きまわった。

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