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TORENDIA

流線間諜

本文約34,700字 ・ 読了時間 約70分

あらすじ(AIが作成しました)

ある某国は国家の危機を脱するため、日本帝国に対する戦慄すべき怪計画を企てる。その特務機関による計画の一部は、銀座で起きた婦人の変死事件から発覚する。事件に居合わせた青年探偵・帆村荘六は、遺体の状況から他殺を見抜き、陰謀の裏側へと足を踏み入れる。やがて帆村は巨人機へ搭乗し、ベーリング海峡に築かれた巨大な堰堤によって世界の気候を操作しようとする、某国の破天荒かつ巨大な軍事的陰謀を突き止める。

海野十三

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R事件

いわゆるR事件と称せられて其の奇々怪々を極めた事については、空前にして絶後だろうと、後になって折紙がつけられたこの怪事件も、その大きな計画に似あわず、随分永い間、我国の誰人にも知られずにいたというのは、不思議といえば不思議なことだった。

だが、後に詳しく述べるように、このR事件というのは実をいえば当時、国内問題のために非常な重大危機に立っていた某国政府当局が、その国家的自爆から免れる最後の手段として、相手もあろうにわが日本帝国に対して、試みた非常工作なのであった。もし其の怪計画が不幸にして曝露するようなことがあれば其の計画の破天荒な重大性からみて、日本帝国は直ちに立って宣戦布告をするだろうし、同時に列強としても某国を人道上の大敵として即時に共同戦線を張らなければならないことになるのは必定であって結局某国としてはこの怪計画に関し極度に秘密性を保つ必要があったのである。

一体その怪計画というのはどんなことだったか? それはいま読者諸君の何人といえども恐らく夢想だにされないであろうと思うような実に戦慄すべき陰謀だった。いずれ順序を追って述べてゆくうちにその怪計画の全貌が分る日が来るだろうが、そのときにはきっと筆者の今いった言葉の偽りではなかったことを知っていただけるであろう。

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