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TORENDIA

金属人間

本文約77,700字 ・ 読了時間 約156分

あらすじ(AIが作成しました)

二十三歳で博士号を取得した若き天才・針目左馬太は、細胞内での分子配列から生命を誕生させる研究に没頭していた。ある日、雨谷という人物が所有する鉱物から作られた不思議な茶釜の奇妙な芸をめぐり、長戸検事や蜂矢探偵らが博士の邸宅を訪れる。ところが、博士の研究室では不可解な爆発事件が相次いで発生する。蜂矢は、博士の言動からある疑念を抱く。人造生命として生み出された存在による、人類の想像を絶する驚天動地の大事件の予兆を描く。

海野十三

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こんな文章

およそ世の中には、人にまだ知られていない、ふしぎなことがずいぶんたくさんあるのだ。

いや、ほんとうは、今の人々に話をして、ふしぎがられる話の方が、ふしぎがられない話よりもずっとずっと多いのだ。それは九十九対一よりも、もっととびはなれた比であろうと思う。

つまり、世の中は、ふしぎなことだらけなのだ。しかし、そう感じないのは、みなさんがたがどこにそんなふしぎなことがあるか知らないからだ。また、じっさいそのふしぎなものに行きあっていても、それがふしぎなものであることに、気がつかない場合が多い。

それからもうひとつ――。

人間の力では、どうにもならないことがある。それは運命ということばで、いいあらわされる。この運命というやつが、じつにふざけた先生である。運命に見こまれてしまうと、お金のない人が大金持になったり、またはその反対のことが起こったり、いや、そんなことよりも、もっともっと意外なことが起こるのだ。

宝くじの一等があたる確からしさを、いわゆる確率の法則によって計算することができる。その法則によって出てきたところの「宝くじの一等があたる確からしさ」の率は、万人に平等である。その当せん率のあまりにも低いことを知って、万人は宝くじを買うことをやめるはずになっている。その確率の法則を作った学者や、それを信奉する後続の学究学徒の推論によれば……。

だが、事実はそうでなくて、宝くじがさかんに売れている。それはなぜであろうか。それは、とにかく事実一等にあたって二十万円とか百万円とかの賞金をつかむ人が、毎回十人とか二十人とか、ちゃんと実在するので、自分もそのひとりになれないこともないのだと、さてこそ宝くじを買いこむのである。

その人たちの感じでは、当せん率は、確率の法則が算定してくれる率よりも、何百倍か何千倍か、ずっと多いように感ずる。これはいったいなぜであろうか。

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