火星探険
本文約76,800字 ・ 読了時間 約154分
あらすじ(AIが作成しました)
夏休みの自動車旅行を計画する山木健と河合二郎は、資金不足のため牧場の不用品である牛乳配達車を修理する。彼らは周囲の友人たちに立派な車だと偽り、同行を懇願する少年張やネッドを断り続ける。修理に追われる最中、張の予言能力やデニー博士を巡る不思議な出来事が彼らを巻き込み、やがて少年たちは地球と火星の交流や宇宙旅行といった壮大な展開へと向かう。四人はそれぞれの願いを抱き、協力と平和の精神を通じて冒険の旅を繰り広げる。
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すばらしい計画
夏休みになる日を、指折りかぞえて待っている山木健と河合二郎だった。
夏休みが来ると二人はコロラド大峡谷一周の自動車旅行に出る計画だった。もちろん自動車は二人がかわるがわる運転するのだ。往復に五週間の日数があててあった。これだけ日数があれば、憧れの大峡谷で十分にキャンプ生活が楽しめるはずだった。
二人は、この大旅行に出ることが非常にうれしかったので、前々から近所の友だちにもふれまわっておいた。友だちはそれを聞いてうらやましがらない者はなかった。そしてぜひいっしょに連れて行ってくれと頼まれるのだった。しかし二人はそれを断りつづけた。というのは、二人が使うことになっている自動車にいささかわけがあったのである。何しろ二人とも親許をはなれている少年だったので、おこづかいは十分というわけには行かなかった。そこで学業のひまに新聞を売ったり薪を割ったりして働いて得た金を積立てて自動車を買うわけであるから、あまり立派なものは手に入らなかった。今二人が頼んであるのは、牧場で不用になった牛乳配達車であり、しかもエンジンが動かなくなって一年も放りだしてあったというたいへんな代物で、二人にはキャンプ材料に食糧を積むのがせいいっぱいであると思われた。
しかし友だちには、その大旅行の自動車がそんなひどい車である事を知らせず、非常に大きな車で、中で寝泊りから炊事から何から何まで出来るりっぱなものだと吹いておいたものだから、さてこそわれもわれもと、連れて行くことをねだられるのだった。
そういう友だちの中で、とりわけ熱心にねだる者が二人あった。ひとりは中国人少年の張であり、もう一人は黒人のネッドであった。山木も河合も、張とネッドなら連れていってやりたかったけれど、何をいうにも自動車のがたがたなことを考えると、やっぱり心を鬼にして断るしかなかった。それでも張とネッドはあきらめようとはせず、毎日のように校庭で山木と河合とにねだるのだった。