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TORENDIA

暫く黙せしめよ

本文約500字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

芝居の現状に対する複雑な心情を軸に、芸術家としての矜持や日本演劇が抱える矛盾を綴る。著者は、新劇運動が貧困を脱するために現代アカデミスムの樹立が必要であると主張する。また、芸術活動を取り巻く権力や財力への警戒を促し、将来の演劇界を見据えて官立俳優学校の設立を提唱する。個人的な思索を交えつつ、日本の演劇文化が直面する課題と、これから目指すべき改革の方向性を論じる。

岸田國士

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芝居のことについて、今、何も云ふ気にならぬ。根のひからびた樹木がある。枝をためて何にならう。

優れた戯曲がぼつぼつ眼にふれる。楽しいが、淋しい。時代は進みつゝあるに違ひない。来るべきものが来るまで私はもう待てない。

人が何かをしはじめようとすると、そんなことをして何になると云ふものがある。誰もなんにもしないでゐることは、誰もを不安にしないだけである。

私は、自分の力を過信しないやうに努めてゐる。それでも、したいと思ふことをしないではゐられない。

私は、芸術上のアンデパンダンを尊重するが、尊重するが故に、日本演劇の現代アカデミスムの樹立を要望するものである。この文化の過渡的矛盾を認識しないならば、新劇運動は永遠に貧困を脱し得ないであらう。

権力と財力との微笑を警戒する人々よ、一度、その微笑なるものを見届けようではないか。

アカデミスムとコンマアシヤリズムとの交叉点は、幸にして悪臭鼻をつくものがある。芸術家にとつて、真の芸術家にとつて、交通整理の必要は更にないのである。

国立劇場の建設も結構であるが、私は、先づ官立俳優学校の設立を提唱する。目下計画中の演劇研究所プランを拡大して、その実現に邁進する覚悟である。

完

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