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TORENDIA

『おふくろ』

本文約320字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

雑誌「劇作」に発表された田中千禾夫の処女作「おふくろ」を評し、非野心的でありながら捨て難い味わいを持つその才能に、大きな期待を寄せる岸田國士の劇評。

岸田國士

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🎧 『おふくろ』 / 朗読音声: VOICEVOX:九州そら

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本誌(「劇作」)三月号に発表された田中千禾夫君の処女作『おふくろ』について、僕として云ひたいことは、ただ一言で尽きる。それは、「この確かな劇的才能が、今後如何に伸び、如何に輝いて行くか、非常な期待をもつ」といふことだ。

この一作は、実は、処女作と銘うつためにはあまりに非野心的であり、寧ろ、試作として筐底に蔵さるべきものであつたかもしれない。こんな批評は恐らく批評にはならぬであらうが、さういふ印象を与へる作品の味は、またなかなか捨て難いもので、いはば、前菜のフォア・グラだ。僕は田中君の慎ましいデビュウを悦ぶと同時に、君自身が、これによつて広々とした未来を作り得たとすれば、それも亦、賢明なる哉と、ひそかに考へてゐる。(一九三三・五)

完

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