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TORENDIA

朝めし

本文約390字 ・ 読了時間 約1分

あらすじ(AIが作成しました)

十年以上自分で作ってきた朝食が近ごろ面倒に感じられ、老境のせいかとぼやきながらも、今朝はベーコンエッグを食べたと茶目っ気たっぷりに締めくくる山本周五郎のエッセイ。

山本周五郎

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🎧 朝めし / 朗読音声: VOICEVOX:もち子さん

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幾たびか書いたことだが、私は朝めしは自分で作って喰べる。ベーコンかハムと卵に生ま野菜、パン一片か、オートミールに牛乳という献立で、十年以上も飽きずにやってきた。家族とは別に仕事場で寝起きしているのだから、朝の自炊はやむを得ないし、それはすっかり身に付いた習慣になっていたのだが、このごろはそれが面倒になってきた。ベーコンやハムをいため、卵をフライする、と考えるだけで食欲がそっぽを向いてしまい、つい牛乳二本くらいでごまかすような場合が多くなったのである。朝起きるとすぐ仕事にかかる、という習性が原因かもしれないし、老境にはいった証拠かもしれない。もしも後者だとするとばかげたはなしで、去年よってたかって私のことを六十だ六十だといい張ったジャーナリストたちの責任だと思う。――けれども、今朝はベーコン・エッグを喰べた、これが続けばざまあみろである。

「小説新潮」(昭和三十九年八月)

完

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