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TORENDIA

海底大陸

本文約88,400字 ・ 読了時間 約177分

あらすじ(AIが作成しました)

大西洋を航行中の巨船クイーン・メリー号は、突如出現したサケの大群に囲まれる。やがて海底に潜む高等生物アトランタニアンの存在が明らかになり、船は海底へ引きずり込まれる。その後、ロンドンへ襲来し甚大な破壊をもたらした海底超人に対し、長良川博士は衝突を回避して平和な共存を目指すべく、人類と彼らの間を取りなす交渉と解明を試みる様子を描く。

海野十三

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大西洋上のメリー号

三千夫少年の乗り組んだ海の女王といわれる巨船クイーン・メリー号は、いま大西洋のまっただなかを航行中だった。

ニューヨークを出たのが七月一日だったから、きょうは三日目の七月三日にあたる。油のようにないだ海面を、いま三十ノットの快速を出して航行している。あと二日たてばフランスのシェルブール港にはいる予定だった。

ちょうど時刻は昼さがり。食堂もひととおり片づいて、乗客たちは、水着に着かえて船内の大プールにとびこんだり、または船尾の何段にもわかれた広い甲板の上でテニスをやる者、デッキ・ゴルフをやる者、輪なげをやる者など、それぞれに楽しい遊びにむちゅうであった。

「オイ、日本のボーイ君。ここへきて、点をつけてくれんか」

などと、そこへ船長をさがしにきた三千夫少年に声をかけるフランスの老富豪などもあった。

「ハイ、すぐまいります」

三千夫はにこやかにあいさつをして、船客たちの間をかけぬけていった。船長はどこの組にはいってゲームをしていられるのか。

「船長! 船長!」

三千夫のかわいい声が耳にはいったものと見え、ゴルフ組にいたデブデブふとった船長ストロングが、打ちかけた手をとめて、

「オイ、ボーイ。なんの用だ。大した用事でなかったら、おれがいまお客さまに、とくいのファイン・プレーをやってお目にかけるまで待て」

三千夫少年は、船長のことばにおかまいなく、まりのようにそばへ飛んでいった。

「船長。いま、事務長から電話がございました。すぐお耳に入れるようにとのいいつけです」

「ああ、そうか」

事務長からの電話だと聞くと、ストロング船長は、ついに球をうつことをあきらめて、三千夫を手まねきした。そしてひくい声でいった。

「いったい何事か」

三千夫はふとった船長に腰をかがめてもらい、その耳もとに口を近づけて、なにごとかをボソボソささやいた。船長のくちびるがグッと、への字にまがるのを船客たちは見のがさなかった。なにか一大事らしい。船底から水がもり出したというのではなかろうか。まさか海の女王クイーン・メリー号にそんなことがあってたまるものかと思うが……。

「進路はかえない方がいいだろうといえ」

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