とびくらべ
本文約2,400字 ・ 読了時間 約5分
あらすじ(AIが作成しました)
ノミとバッタととび人形が、だれがいちばん高くとべるか競いあう。勝者には王の娘がお嫁に行くという条件が提示され、選手たちはそれぞれ自分の誇りや準備を語る。ノミは礼儀正しく振る舞い、エジプトの家柄を主張するバッタは緑の制服をまとって自信を見せる。とび人形は沈黙を守りつつも、最終的に予期せぬ跳躍で王の娘のもとへたどり着く。本作は、誰が真に高く跳んだかをめぐる騒動と、世間での評価や外見を重んじる現実を描く。
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あるとき、ノミと、バッタと、とび人形(注)が、われわれの中で、だれがいちばん高くとべるか、ひとつ、ためしてみようじゃないか、と言いました。そこで、さっそく、世界じゅうの人々に招待状を出して、このすばらしいとびくらべを見たいと思う人は、だれでも、呼んであげることにしました。
さて、いよいよ、この三人の高とびの選手たちが、そろって部屋の中にはいってきました。
「では、いちばん高くとんだものに、わしの娘をやることにしよう」と、王さまが言いました。「せっかく、高くとんでも、ほうびがなにもないのでは、かわいそうだからのう」
ノミが、いちばんさきに出てきました。ノミは、礼儀作法をちゃんと心得ていて、あっちへもこっちへも、ていねいにおじぎをしました。むりもありません。ノミのからだの中には、お嬢さんの血が流れているのですからね。それに、ノミがいつもおつきあいしているのは、人間ばかりですしね。これも、忘れてはならない、たいせつなことです。
二番めに、バッタが出てきました。ノミよりも、ずっと重たそうなからだつきをしていましたが、それでも、からだの動かしかたなどは、なかなかじょうずなものでした。そして、緑色の制服を着ていましたが、これは生れたときから、身につけているものでした。それに、自分で話しているところによると、なんでも、エジプトという国の、たいへん古い家がらの生れだそうで、その国ではみんなからたいそう尊敬されている、ということでした。でも、ほんとうのところ、このバッタは、おもての原っぱから連れてこられて、三階だての、トランプの家の中に入れられたのです。そのトランプの家というのは、トランプのカードの絵のあるほうを、内側へむけて、作ったものでした。戸や窓もちゃんとついていて、ちょうど、ハートの女王のからだのところにありました。