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第1章 666――すべては「数字」から始まった
1-1 聖書に突然現れた「666」
もし、あなたが今この瞬間、何気なく時計を見たとする。そこに「6:66」という表示が現れることはない。そんな時刻は存在しないからだ。しかし、「666」という数字そのものなら、私たちの身の回りにいくらでも存在している。商品番号、整理番号、住所、価格、コード、デジタルデータ。数字は、私たちが意識していないところで、静かに人間の生活へ入り込んでいる。
そして、その数字を見た瞬間、なぜか不気味な感覚を覚える人がいる。「666」。たった三つの数字。それなのに、この数字には、普通の数字とは明らかに違う何かがある。その理由は、約二千年前に書かれた一冊の聖書の中にある。『ヨハネの黙示録』。その中には、人類の終末を思わせる恐ろしい光景が描かれている。怪物のような「獣」、人々を支配する巨大な権力、そして最後には、世界そのものを覆い尽くすような終末の光景。
そして、その獣について語られる場面で、突然、奇妙な数字が登場する。「666」。これが、後世に「獣の数字」と呼ばれることになる数字だった。なぜ、数字なのか。なぜ「6」なのか。そして、なぜ一つではなく、三つ並んでいるのか。ここから、恐ろしい物語が始まる。古代の人間にとって、数字は単なる計算の道具ではなかった。
文字と数字が、現在のように完全に切り離されていなかった時代、人の名前を数字として表現することがあったとされている。つまり、「666」という数字の中には、ある人物の名前が隠されている可能性がある。名前を直接書けば、誰を指しているのか分かってしまう。しかし数字に変えてしまえば、意味を理解できる人間にしか、その正体は分からない。
もし『ヨハネの黙示録』の666が、本当に誰かの名前を数字へ変換したものだったとしたら。そこには、一つの恐ろしい疑問が生まれる。「獣」と呼ばれた存在は、実在した人間だったのではないか。そして、さらに奇妙なのは、この数字が二千年近く経った現在でも消えていないことだ。文明は変わった。王国は滅びた。皇帝も死んだ。
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