はちの巣
本文約4,000字 ・ 読了時間 約9分
あらすじ(AIが作成しました)
庭の梅の木に二匹の蜂が巣を作り始めるが、一匹が姿を消す。光子はその蜂が外敵に襲われたと案じ、巣を守ろうとする。ある日、じゅず玉を求めた光子の頼みで草むらへ入った勇ちゃんが蜂に刺される。後に勇ちゃんは梅の木の巣を見つけ、棒で取ろうとするが、光子から片方の蜂がいなくなった事情を聞かされる。勇ちゃんは蜂の身の上を憐れみ、攻撃をやめて巣を温かく見守るようになる。
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ある日、光子さんは庭に出て上をあおぐと、青々とした梅の木の枝に二匹のはちが巣をつくっていました。
「おとなりの勇ちゃんが見つけたら、きっと取ってしまうから、私、知らさないでおくわ。」
そう思って見ていますと、一匹ずつかわるがわるどこかへとんでいっては、なにか材料をくわえてきました。そして、一匹がかえってくると、いままで巣にとまって番をしていたのがこんどとんでいくというふうに、二匹は力をあわせてその巣を大きくしようとしていたのです。
そののち、光子さんは毎日梅の木の下に立って、その巣の大きくなるのを見るのがなんとなくたのしみでありました。
「もう、今日はあんなに大きくなった。」
しかし、それはほんとうにすこしずつしか大きくならなかったのです。二匹のはちが小さな口にくわえてきた材料を、自分の口から出るつばでかためていくのでありましたから、なかなかたいへんなことです。けれど、はちは、たゆまずうまずに、朝も晩も巣をつくることに、いっしょうけんめいでありました。
ところが、どうしたことか、そのうち巣にとまっているのがいつも一匹であって、もう一匹のすがたが見えなくなったことです。
「どうしたんでしょう?」と、光子さんはしんぱいになりました。
光子さんはお母さんのところへ走っていきました。
「ねえ、お母さん、はちが一匹いないのよ。いつも二匹のがどうしたんでしょうね?」といって、きいたのであります。
「そうね、きっとそのうちにかえってくるでしょう。」と、お母さんにもすぐにはわからなかったのでした。
「もう、ずっとかえってこないの。一匹がさびしそうにしているの。」と光子さんは、なんだかひとりのこされたはちの身の上を思うと、気が気でなかったのです。
「どうしたんでしょうね。いたずらっ子にでも殺されたか、悪いくもの巣にでもかかって、かえれないのかもしれません。」と、お母さんはおっしゃいました。