あらしの前の木と鳥の会話
本文約4,300字 ・ 読了時間 約9分
あらすじ(AIが作成しました)
山のふもとの林で生きる大きなひのきの木と年老いたたかは、人間に絶えず虐げられる自然や動物たちの窮状を憂い、復讐を決意する。彼らは、人間社会を視察させるため、かつて恩を施した乞食の子供を街へ送り出す。街で人間たちの身勝手で残虐な振る舞いを目の当たりにした子供は、悲しみを抱えて林へ戻る。報告を聞いたひのきとたかは怒りに燃え、街を壊滅させるために嵐を呼び起こし、人間たちへの総攻撃を開始する。
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一
ある山のふもとに、大きな林がありました。その林の中には、いろいろな木がたくさんしげっていましたが、一番の王さまとも見られたのは、古くからある大きなひのきの木でありました。
また、この林の中には、たくさんな鳥がすんでいました。しかし、なんといっても、その中の王さまは、年とったたかでありました。多くの鳥たちは、みんな、このたかをおそれていました。
ある日のこと、古いひのきの木と、たかとが話をしたのであります。
「いま、人間は、ひじょうな勢いで、いたるところで木を伐り倒している。いつ、この林の方へも押し寄せてくるかしれない。人間は、りこうかと思うと、一面は、ばかで、自分から火を出して、自分の住んでいる家も、また、せっかくりっぱに、仲間のためになった街も、みんな焼いてしまう。そんなことは、俺たちが考えたって、想像のつかないことだ。そうして、家が失くなったり、街が焼けてしまうと、あわてて大急ぎで、俺たちのいる方へやってくる。そんなにまで俺たちは、人間のために尽くしているのに、ありがたいとは思っていない。」と、ひのきの木は、話しかけました。
くるくるとした、黒い、鋭い目をしたたかは、これをきいていましたが、
「人間というやつほど、わがままなものはない。おまえさんが、そう怒んなさるのも無理はない。私たちだって、これまでずいぶんこらえてきたものだ。」と、たかは、おうようにいいました。
「しかし、あなたがたは、自由に飛んで歩ける身体だから、なにも、人間のいうとおりにならなくてもいいのだ。人間のいないところへいってしまえば、つらいめにもあわなくてすむというものだ。」