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TORENDIA

福岡の女

本文約540字 ・ 読了時間 約2分

あらすじ(AIが作成しました)

福岡県の女性たちの気質や海外への渡航状況、さらに県内の地域ごとの性格の差異について綴る。特に著者の出身である糸島郡の婦人たちが米国へ渡り家庭を築く事例を挙げ、豊前、筑前、筑後における人々の気風の違いを比較する。また、博多という土地が持つ芸人文化や、芝居に対する住民の鋭い鑑賞眼、そして東京人に近い快活で闊達な博多の人間性について言及する。

伊藤野枝

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■福岡県の女は佐賀県や、熊本県の同性のやうに、海外に密航して浅ましい生活するのは少いやうですが、小学校や、女学校を出た後、米国などへ行つて人の妻となり、健全な家庭を作つてゐるのは、少くはないやうです、殊に私の生れた糸島郡などは、此の米国行きの婦人は大変なものです。

■今は其の地にゐるかどうか知りませんが、以前浦塩お徳といつて、洗濯屋か何かをして、ウラジヲストツクで成功した婦人があります、此の人がやはり福岡県の人なのです。

■福岡県といつても豊前、筑前、筑後、皆其の性格が違い、其の区別が著しいやうに思はれます、豊前は上方の気風を受け、筑前は多血質、筑後は粘液質とでもいゝましやうか。

■豊前や筑後は好く存じませんが、筑前殊に福岡は鷹揚な人が多い、久留米などのこせ/\した気性に比ぶれば余程男らしい処があります。博多は芸人の多い処で三味線のうまい魚屋とか、踊のうまい酒屋とかいふのはザラにあります。

■其処で大阪の役者などは博多で芝居をするのは非常に骨が折れるさうで、博多の人は眼が肥えてゐるから、役者のアラはすぐ見破ることが出来るのです、一たいで博多は大阪の感化を受けるのは非常なものですが、人間は快活で、濶達で、東京人に類似して大阪人と反対です。

[『廿世紀』第三巻第二号、一九一六年四月号]

完

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